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3次元のダイナミックで且つバーチャルリアリティ映像のようなデータを処理、表示するための多種類のソフトウェア・アプリケーションも受け入れる計算機、情報伝送技術、等を前提とする。SASのこのようなコックピット表示はパイロットに言語よりも遥かに多くの情報の直観的提供を行うことができ、NAS内で動作するときヒューマン・パーホーマンスを向上する。
3.3.3.4ADS−Bと双方向空対空のアドレス式データリンク
ADS−Bは航空機間、又は航空機と地上施設との間にRFのデータリンクによる周期的放送を用いて情報交換を行うが、将来の技術的変化とは別に、現在そのデーターセットは航空機のID、位置等選定された監視関連データに限定され各種のSASの可能性を十分満たすものではない。従って、何等かの空対空のアドレス式データリンクを加える必要が生じる。これは地上べースのシステムとは独立して運用され、SAS適用の付加データー流の全てを運ぶことになる。例えばFISの電子的収集飛行気象情報、戦術的SUA/軍用訓練ルート、及びその他の非監視用で重要度の低い情報の航空機間リアルタイムの交換が考えられる。即ちADS−Bは主として監視情報のみであり、付加情報は双方向空対空データリンクがその他の用途としてのパイプ役を果たすことになる。これら両コンセプトを組合せ、また必要に応じて従来から認められている地上べースのATNルーター/データリンク結合を利用することによりパイロット、運航管理者、及び管制官を電子的に接続でき安全性と効率性とを向上させることもできる。この結果他機の位置の常時把握、使用周波数、低燃料状態のための優先扱い、ギヤダウン、着陸重量等の情報を共有できる。
FAA基本施設が適切でない場合でも、ADS−Bと空対空双方向データリンクにより各種の航空機、及びコックピットの便益が得られる、例えば、現在TCAS?システムを用いて太平洋空域で評価中のITC及びITD方法をこのADS−B/空対空アドレス式データリンクにより向上することができる。次世紀のADS−BCDTIの高性能の表示を利用したITC/ITD動作の実際の自由飛行環境での最初のADS−B実験は1998年6月になると考えられる。この洋上適用においてADS−Bを構成要素とする航空機は、航空機の位置、ID、速度、機首方位、及びその他のデーター流を航空機間で交換でき、更に精密で正確なITCと?TDを与えると同時に横方向の通過行動も可能となる。最終的にはADS−Bで先行機を能動的な疑似WPと見なし、最適設計のコックピット表示と結合したFNSが開発装備されると、ADS−Bを用いて後続他機への縦列分離を行うこともできる。ADS−Bは多数の環境において運航の自由度増加のための自由飛行の能動素子として認められ、現在のレーダーべースの監視を同一目的に拡張する場合に比較してコスト、覆域、及び性能において優れた空対空、空対地の監視の両情報を与えることができる。
ADS−BはSASの導入を成功させるに重要なものであって、GIBSの初期よりこのコンセプトはSASソフトウェアアプリケーションの多くの主要な概念要素となってきた。実際に、SASでは各機に広範囲の装備を前提としているが、それが実現される場合ADS−Bと双方向空対空アドレス式データリンク適用には多くの可能性が生ずる。ADS−Bコンセプトから、コックピット機能は通常CDTIとなり、トラフィック認識に必要な基

 

 

 

 

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